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 2009年1月 6日(火) 19:45 JST

ティエラマドレプロジェクト


SBS5期生の大田美保さんにご自身が「ひとりNGO」として立ち上げ奔走しているティエラマドレプロジェクトについて語っていただきました。
スロービジネスへ漕ぎ出す想いと模索をお裾分けしてもらっています。2回シリーズです。

マヤの森とフェアトレード

大田美保(SBS5期生)

趣味で始めたことが、フェアトレードへつながっていった


16年前に中年米の旅をしました。スペイン語もラテンアメリカのことも何の知識も持たずにいろんな国を周り、最後にたどりついたのがグアテマラ。他の国に比べて先住民色が強く、マヤ先住民の言葉や顔(私達の顔にとても似ている)に親しみを感じ、すばらしい織物、文化に圧倒されました。マヤの人や織物、手工芸品にみせられてしまい、いろんな村に行っては織物や言葉を習ったりしていました。気がついたら1年の旅になってました。

その時から僻地の村まで行って先住民の方々から民芸品を直接買い付けたり、路上で買ったり、お店で買ったりして、日本で販売するということをしていました。それは仕事とか商売ではなくて、趣味レベルでした。そんなことを続けているうちに、フェアトレードというものを模索するようになってきたんです。



ピープルツリーというフェアトレードの先進的企業が私のお手本なんです。ピープルツリーのフェアトレードの場合はまず企画があるんです。企画があって、現地に仕事を依頼するというスタイル。
私の場合は最初に企画があったわけではなく、結果としてフェアトレードになったというところがあります。ひとりですから、団体とではなく、個人個人とやり取りをします。

路上で、お店で相場を見て商品を仕入れる。こうした買い物をすることは先住民族の生活を支えるという意味では結果としてフェアトレードになっていると思うのですが、ピープルツリーと比べて自分の取り組みはフェアトレードといえるのかどうか?よくわからなくなるときがあります。ですので、民芸品については「フェアトレードです」って言えない感じがします…。

「フェアトレード」を模索して

市場で相場を見て民芸品を仕入れるということからもう少し発展させて、手工芸品を輸出して販売したいと思っているような生産者団体と取引をしたいと思いました。そこで女性の団体を探しはじめ、ひとつの団体と出会うことができました。そこは、コーヒーのフェアトレードの先進企業であるウインドファームが取引しているメキシコのトセパン協同組合と似ています。組合になっていて、自分たちの銀行も持っています。村で共同で暮らしているような団体でした。とても素敵な女性達が活躍しています。

布ナプキンを作ってもらおうと思って企画を持ち込みました。首都から15時間以上もかかる僻地で路も4輪駆動じゃないと行けないようなジャングルの中でした。電話も事務所に一つあるだけで、連絡が取りにくい場所なんです。ましてやメールなんて、とんでもなくて。

布ナプキンのサンプルのやり取りは一度は行ったのですが、私が日本に帰ったらできなくなってしまいました。連絡を取りにくい場所でいくのも大変な所でデザインや制作についてのやりとりなんてできないですから。結局頓挫してしまっています。

織物やバッグなどはすでに作られたものがあるので、団体から購入しました。でも、売れないんですよ。デザインもよくないし、素材もよくない。なので、人にあげたり、安くして売っています。いまだに売れなくて手元に残っているんですけど(笑)。

次はエコバッグを作りたいと思って、ミシンを持っている団体を探しました。そのときは現地まで行けなかったのでサンプルをグループを紹介してくれた団体に預けていきました。サンプルを渡してから2年たってもいまだに布のまま事務局に放置されているようです。意識が違うというか、時間の感覚が違うというか。。。難しいですね。

組織となると、もう少し違って意識が高いです。内戦時代に自分の家や共同体を壊されたりして帰れなくなった人たちが集まって作られた団体は、新しいジャングルを切り開いて自分たちの共同体を作っていこうという高い志があります。そういう人たちは自分たちに必要なものが何であるかわかっていますから、話が通じますね。

組織化されていないところはそれぞれが個人の利益で動きます。まず自分が、という風に。みんなで何かやろう、という感じにはならないのですね。

伝統技術を生かせなければ、意味がないのではないか

布ナプキンやエコバッグが頓挫してしまった理由は私の方にもあるなと今になって思います。

布ナプキンやエコバッグの企画は自分の中で温めていました。誰に相談するでもなく誰が作ってくれるでもなくアイデアだけがあったんです。そして、作ってくれるというグループに出会い(ジャングルの奥地の共同体)お互いにやっていきましょう、となりました。でも、サンプルの段階で手縫いでした。

ミシンは各家にはないんですよね。よく考えると、その女性達はマヤ先住民で織物はやるけど、ミシンなんか使ったことがない人達。その人達は女性として自立したい、仕事が欲しいと思っていました。この企画で彼女たちの仕事を生み出せるかもしれないと思ったけれど、実際にサンプルを見たとき、手縫いでそのよさはあまり感じられませんでした。


自分のニーズで頼んだものの、相手側の技術を生かせる仕事でないと意味がないのではないかと思いました。彼女たちの伝統的な民芸品である織物を使ったとしても、それを加工したり仕立てる時にこちらが全てついて教えるわけにはいきません。彼女たちがミシンを持っていたり、ある程度の技術がないと私が対応できないというのもあります。それともうひとつ、販路がたくさんないので、発注する時にロット(数)が小さくしか頼めないというのも、大きな悩みです。



私ができることと、相手側が求めているものがぴたっとあったグループとの出会い、それが今私の求めていることです。そういうわけで、なかなか民芸品はフェアトレードというところまで行き着いていないんです。私は民芸品が好きなので、こちらもフェアトレードにしていきたいという気持ちは強いのですが。

>>>その2に続く
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