5期生大田さんの模索中のスロービジネスについての第2弾です。
マヤナッツで森を守る
大田美保(SBS5期生)
強く、グアテマラの森を守りたいと思った
今から8年前にグアテマラ北部の小さな村に縁があって行ったんです。周りがジャングルで鳥やサルが鳴いていて湖は透き通っていて人はのんびり暮していました。こんなすばらしい所が地球上に残ってるんだなと感動したんです。私はここにいつか住むだろうと思いました。ここに住んで何をして暮していこうかと思ったときに、ふとこんなすばらしい場所を地球上から失いたくないなと思ったんです。私達が豊かさを求めて失ってきたもの、それを守っていく義務(地球からもらったものを返していくような)があるような気がしました。
それから日本に帰ってティエラマドレプロジェクトをたちあげました。一人NGOでグアテマラの森のすばらしさや人々の暮らしを伝えること、私達の生活とグアテマラの森はつながっている、私達の生活を見直すことで森を守れることをスライドトークを通してやっていました。グアテマラの森を守るというミッションでしたが、特別に直接的な関わりはしていませんでした。
それから、数年後にミニツアーをしたんですが、森が怖ろしい程に破壊されているのを目の当たりにしました。目の前で轟々と燃えている、あっちこっちで煙が上がっている、そんな情景をみて衝撃を受けました。私は絶望的になり苦しんだ末、日本の人達にこの状況を伝えることが今、私にできることだという思いから、“NOハンバーガーTシャツ”や“私達にできることTシャツ”が生まれました。
マヤナッツで森を守る
日本の活動が主でしたので、森を守ることに直接働きかけたいと思っていました。森を守りながら自立していけるような取り組みをしている団体がいないかと探してたところに、女性の生産者グループと出会うことができました。この女性たちがマヤナッツ――マヤではラモンと呼ばれるのですが――を製品化していました。
マヤナッツのことは以前村人から、古代マヤ時代から食べられていて、栄養化が高いこと、森にたくさん自生していることなど聞いていたので、これをなんとか日本に広げられないかと密かに日本に持ち込み、人に試食してもらっていました。一人でやるには、いろんな難問があってそのまま数年たっていたところだったのです。なので、出会ったときはこれだ!ってすごい喜びでした。
このマヤナッツを村人から買い取って工房で粉にしているこのグループはアメリカのNGOが支援している団体のひとつで、 お金を出したり技術を教えたりすることで生産者を支援しています。生産するだけでなく、マヤナッツ料理教室を開いたり植林もしています。マヤナッツの木を大切にすることで現金収入も入り、女性の自立にもつながり、森を大切にすることが浸透していっています。私もぜひ協力したいと思いお話したら、NGOの方からはマヤナッツの販路を作っていきたいという要望がありました。そこで、取引が始まりました。
プロジェクトに、力を貸してください
日本に帰ってきてマヤナッツを広めようといろいろな会社に出向いてお話をして
いるのですが、必ず言われることがあります。「(マヤナッツが)知られていないので、まだ扱えません」と。知られていないので、「まだ」扱えないというんです(笑)。マヤナッツというのは日本人はほとんど知らないんですね。まず、知らせるところからはじめなくてはならない。「協力しましょう」という感じではないんですね。個人でやっていますし、賞味期限もあるのでひとりでは在庫を抱え切れません。なんとか売ってくれるところを見つけていかないといけないのですが…。
スライドショートークに来てくださった若い女性が、お話を聞くことで、これまで関心がなかったけれどもグアテマラと自分の生活のつながりを理解した、と言ってくれました。ハンバーガーを食べるのをやめようという気持ちになった、と。その方がまた別な友達に聞いたことを話したらその友達もまた考え行動するきっかけになったと、そのことをしばらくたってから伝えられ「すごく意味のある取り組みですね」と言ってもらえて、とても感激しました。私一人では何もできないと思っていたけど、私は見て体験して感じたことを伝えそれが人から人へ伝わっていく、自分のやっていることは無意味なんじゃないか、無力なんじゃないかと思うこともありましたが、そのことで自信がもてました。
これからはたくさんの方達に協力してもらいながらやっていきたいと思います。もう、一人では進めないところにきています。
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