聞き手(Q) SBSコーチョー
話し手(A) 1年E組クミチョー
※インタビューの課題
わかりにくい返答に対して、質問の言葉を変えて
何とか答えらしいものを引き出すこと。
Q クミチョー、お久しぶりです。
A えっ、初めてじゃない?
Q 若い頃に一度、会ってます。
A えっ、そう・・・
Q いきなりですが、なぜ、1年E組をつくったんですか?
A 何となく。
Q きっかけとか、ありますか?
A 何かあったかなあ・・・
Q ある日とつぜん思いついたんですか?
A まあ、トツゼンでもないけど、去年、豪快な号外を発行して、その後、
セヴァン・スズキとツアーで全国をまわってる間にだんだんそんなことを
考え始めた、っていう感じかな。
Q 号外とセヴァンが、どう1年E組につながったんですか?
A 号外のきっかけは、六ヶ所の再処理工場。あの危険性を日本人皆に知らせ
たかった。セヴァンと一緒に青森に行って「六ヶ所あしたの森」に植林もして
きた。
Q それが何故、1年E組につながったんでしょう?
A こんな質問を受けることがある。「自分が本当にやりたいことが何なのか
よくわからないんです。中村さんは、どうやってそれを見つけたんですか」と。
そんなとき、こんなふうに答えている。
「私が今やってることも、一番やりたいことかどうかは、わからない。
でも、やりたいことであることに間違いはない。私の場合、気が向いたことを
やってきた。やりたいと思ったことを実行に移してきた。
どんな小さなことでもいいから、自分がやりたいと思ったことをやっていくと、
本当にやりたいことに近づくんじゃないかな。だから、人に聞くだけでなく自分
の心の声にも耳を傾けるといい。やりたいことが見えてきたら、その方向に一歩
ふみ出すといいよ。」
若いマジメな人たちを見ていて思うことは、シンチョーな人が多い、ということ。
やる前にこうなったらどうしよう。ああなったらどうしよう。こんなこともあん
なことも起こるかもしれない、と心配して、結局、行動に移さない人が多い。
確かに何が起こるかわからない。でも、先がどうなるかわからないから、面白い
んじゃないの? 若いときにいろいろ失敗した方が味わい深い人生を生きること
ができるって思わない? そして、その「失敗」の体験から学べることも多いん
じゃない?
失敗を恐れてやりたいことをやらずに人生を終えるよりも、チャレンジして失敗
し、またチャレンジしていく方が面白いと思わない? その方が「自分の人生を
生きてる」っていう気がしない? 「スロービジネスの冒険」という言葉には、
そんな意味が含まれています。
去年、再処理工場と温暖化の問題を広く伝えるために「豪快な号外」を3000
万部の発行して、2600万以上の赤字をかかえた。この借金をてんつくマンと
2人で返済していくのに5年ほどかかる。こうしたことを「失敗」と捉える人が
多いだろうけど、私自身はそうは思っていない。この話は長くなるから、また今
度、話をしよう。
私にとって、今、一番重要で「やりたいこと」が核燃料再処理工場を止めること。
そして、温暖化を止めること。
Q 再処理工場に反対している理由を教えて下さい。
A フェアトレードを20年やってきたが、そのキッカケがチェルノブイリ原発
事故だった。事故のあと放射能に汚染された食品が日本にたくさん輸入されるよ
うになったとき、政府はセシウムという放射能が370ベクレル以上のものは輸
入しないと決めた。そのことで日本人は一定の安全を保つことができたけれども、
汚染がひどい食品の多くが「途上国」に回された。それを知ったことが「途上国」
とのフェアトレードを始めるキッカケになった。
Q フェアトレードの売り上げの一部が、チェルノブイリ原発事故被害者の医療
支援に使われていますが、これまで現地には何回くらい行かれたんでしょう?
A チェルノブイリ医療支援ネットワークhttp://www.cher9.to/としては20数
回現地を訪問しているけど、私個人は7回くらい訪問したかな。E組の矢野君が
現在の代表で、彼は十回くらい訪問してるでしょう。
Q 現地を訪問した感想を聞かせて下さい。
A 薬や医療機器を病院に届ける中で、被害に苦しむ子どもたちをたくさん見て
きた。子どもを失った親たちとも出会って、放射能の怖さを身に沁みて感じた。
特に放射能は、小さな子どもほど大きな影響を受けることと放射能の被害が長く
続くことを目の当たりにしてきた。だから、これ以上放射能の被害者を増やした
くない。
Q 再処理工場が本格稼動をはじめると、何が心配ですか?
A 放射能が日常的に海と空に放出されて、魚がトリチウムという放射能で年間
300ベクレル汚染されると青森県は予想している。チェルノブイリ事故のとき
は370ベクレル以上を輸入しなかった。
2年目には、魚に放射能が蓄積されて、汚染がさらにひどくなるでしょう。また、
三陸の海の幸が汚染されるだけでなく農産物も汚染されると青森県が予想してい
る。http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/aomori_shiryo060124.htm
この予測の数字でも恐ろしいが、実はこの予測が過小評価だと指摘されている。
http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/rokkasho_series5.pdf
「食べ物が汚染される」ということだけでなく、いのちを育んでいる自然が汚染
されていることを忘れないようにしたい。「海」という文字に「母」が入ってい
るように、海は地球で初めての生物が生まれた場所であり、すべての生物にとっ
ての母と言っていい。その聖なる海を数十万年も放射能で汚染する愚かな行為を
私たちの時代に始めようとしている。この被害を受ける未来世代は、止めたくて
も手の施しようがない。これを止められるのは、今、生きている私たちしかいな
い。
E組の活動を始める理由は「子どもたちと未来世代の生存基盤である地球の環境
をこれ以上悪化させず、少しでもよくしていきたい。そのためには、政治、経済、
社会、そして、文化を変えていく必要があるが、私たちは人々の暮らしと仕事、
ビジネス、産業といったものから変えていきたい。そのために、私たちにできる
ことをやっていく。世界が変わることを祈るだけではなく、変化を待つのでなく、
私たち自身が変わり、私たちが変化をつくっていく」ということ。