トップページこのサイトについてよくある質問(FAQ)プライバシーポリシー問い合わせ

 2010年9月10日(金) 10:36 JST

究極の豆腐づくり

地釜とうふ工房 るあん(その1)

Text by 矢野宏和(SBS1期生)

場所は和歌山県、龍神村。

川筋も見えないほど深く大地に切れ込む谷。天を遮って聳える山。また山。
ダイナミックに躍動する地形のなかで、「地釜とうふ工房るあん」を営むのが、
小澤聖、友佳子夫妻&楓、葵、陸、3人の子どもたち。



今回、とうふ工房「るあん」を語るうえでの主人公は小澤聖さん。
(「小澤聖」、、、何とも清らかで、力強いその字面。
とうふ屋の物語の主人公の名前として申し分ないなと、一人私は思っている。)


8年前、初めて私が彼と会った時、彼は「とうふ屋」ではなく、大工だった。
小民家を移築することを専門にするその仕事は、
何となく職人気質の雰囲気があった彼にはぴったりだなという印象を持った。


が、その後、小澤聖は林業に従事するため、和歌山へ生活の場を移す。


その展開を聞いたとき、「ああ、小澤聖は樹から極めようとしているのだな」と思った。
良い樹を見極められる大工、というのが小澤聖の仕事の完成型なのだと、
勝手に空想を広げていた。

だが、「大工」を起承転結の起。「林業」を承、とするのであれば、
小澤聖の仕事には、まさに「転」という位置づけに相当する転機が訪れる。

それが、「地釜とうふ工房るあん」の起業に他ならない。

そのことを知った時、この「転」には、スロービジネスを考えるうえで、
大切な「何か」があるような気がした。
とうふを作ることのその先に、彼は何を見いだしているのか?


私はそれを聞くために、龍神村に彼を訪ねた。


それまでの、私の小澤聖のイメージは、究極の打撃を目指すイチロータイプ。
努力を惜しまない職人型。仕事を通して、究極の何かを生み出していくことに
喜びを見いだしていく、そんな人物像を勝手に描いていた。

実際に会って話して、その人物設定自体に間違いはないことを確認した。

小澤聖は究極のとうふを目指している。

樹と炎、水と大豆、海のにがり。
それらの流転のなかで生まれるとうふ作りには、一度として同じ作業はない。
同じ作業工程でも、季節により、大豆や薪の状態により変化していく。

大豆の水分量、炎の具合、それらと呼応しながらの創造作業は、
頭脳での処理だけでなく、文字通り全身全霊を傾けたもの。



そこに面白さを感じるのであろう。
「まだまだ課題がいっぱいありましてね」と語る小澤聖の口元には、
イチローのような不敵とも思える笑み浮かぶ。
それを克服した時の感動をすでに実感しているかのようだ。

その喜びは、日々の作業だけに限らない。
豆腐工房を立ち上げてから、周囲の人と互いに協力しあえる関係が形成されてきたという。

小澤聖が復活させようとしている龍神村の伝統料理、青大豆を使った豆腐を作るには、
青大豆を作ってくれる地元のおばあちゃんたちの協力が不可欠になる。
そして、これもまた豊かなつながりを生む仕事となる。


: *: * 。.・*: .・*: .。: *: .・*: .・:
龍神 地釜とうふ工房 るあん

小澤 聖・友佳子

営業時間・朝8時ごろ―売り切れまで
定休日:水曜・木曜

★お豆腐の通信販売もいたします。
ご注文はファックスかお電話でお願いします。

TEL&FAX・0739-79-0637
〒645-0521 和歌山県田辺市龍神村小又川259

: *: * 。.・*: .・*: .。: *: .・*: .・:


その2に続く>>
表示形式
コメント投稿

コメントは投稿者の責任においてなされるものであり,サイト管理者は責任を負いません。