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 2008年11月20日(木) 19:06 JST

ひとりプロジェクトからSBSのつながりへ


スロービジネススクール(SBS)内で今とても活発に動いている
プロジェクトに「マヤナッツ・プロジェクト」があります。
このスロービジネススクール(SBS)HPでも、
2回取り上げたグアテマラの森を守るマヤナッツに関するプロジェクト。
(過去の記事はコチラから)

今回は、大きく展開し始めたマヤナッツ・プロジェクトの動きと共に、
大田美保さんにとっての「スロービジネス」という切り口で
インタビューをしてみました。
(インタビュー・編集:akila gotoh SBS1期生)

インタビュー:08年7月1日(Skype)

「ひとりプロジェクトからSBSのつながりへ」
大田美保(SBS5期生冒険コース)
聞き手:後藤 彰(SBS1期生冒険コース)

<マヤナッツ・プロジェクト立ち上げまで>
―― SBSの中でマヤナッツ・プロジェクトが元気に活動していますが、
SBSに入るまでの流れを紹介してくれますか?



大田:大田:17年前に旅行でグアテマラに出会い、
それからずっとグアテマラに魅せられています。
9年前に森と湖のあるすばらしい場所に出会ってこのすばらしい場所を失いたくない、
このままここに住んでこの森を守って行こうと思いました。



事情があって住むことにならなかったのですが、日本に帰ってから、
ひとりNGOを立ち上げ、講演会やトークの機会をつくってスライドを交えて
森やそこに住む人の暮らしを話していました。

その後また現地を訪ねたときに、いたるところで燃えている森に出会い、
危機感を感じたんです。この辺から真剣にこのままでは大変なことになるという
思いにかられ、「No More Hamburger」というメッセージTシャツを作って販売しました。
現地では森を燃やして多くが牧場になっていたからです。
美しい森が焼かれて、牧場になり、安い肉牛になっているということを
わかりやすくイメージで伝えようと思ったのです。
その頃は講演会やワークショップ、地元の高校や保育園などでも話しをしました。
地球の裏側の森の消滅と私達の豊かな生活がつながってるんだということ、
私達にできることは、知ったことを伝えること、
そして、自分の暮らしを見直していくこと、という提案をしていました。



基本的にひとりでやっていました。もちろん手伝ってくれる人もいましたが、
何と言うか、孤独感がありましたね。
なかなか広がっていかない。
「もっと、たくさんの人に知ってほしいな」
「仲間がいたらな?」ってしょっちゅう思ってましたよ。
でも、あの燃えている森を見てから
「このままではグアテマラにある多くの森が消えてしまうのは時間の問題だ」
という危機感はどんどん募っていったんです。
「素晴らしい森を残したい」という気持ちもね。
単に「森を切らないで」というのではなくて、現地の人に森を切らずに
生活を成り立たせていく代替案を提示できないかなぁ、と考えていました。

そんな時に、マヤナッツという素材に出会ったんです。
「持続可能な形で手に入る食料」
「現地の人の食料自給と栄養を得る」
「現地の人の仕事にも発展する」
「マヤナッツを通して森を守れる」
「これはすごい!!」
と思ったんですね。



存在自体は、前々から知ってはいたのですが、
いろいろなことがつながったという感じでした。
現地の生産者グループ、それを支援している北米のNGOの人と話をして
すぐにこれを一緒にやっていきたいと話したんです。
このことをやっていくのに今は市場がない、それを広げることが必要だと言われ、
すぐに、「じゃ私が日本で市場を開拓しよう」と言いました。
日本で全く知られていないマヤナッツが売れるかどうか、全く未知のものだったけど
これだ!これなら森も人も守っていける。
探し求めていたものに出会えたことの方が嬉しくて、
とにかくやってみようと思ったんですね。
それですぐにマヤナッツを輸入したんです。

それから、レストランやカフェ、パン屋さんなんかを
「こういうものがあるんですけど、使ってみてください」って頼んで回りました。
その時は、400gの大きいパッケージで、ラベルは現地のもの。
あまりパッとしない状態だったんですね。
「400gももらってもどうしましょ」って受け取る側も思ったかもしれませんね。
反応もあまり良くなかったなぁ。
リピートして買ってくれる人もほとんどいなかったですね。



そんな時に、すでにSBSに入っている友人から
東京の町田にある「リトルトリー」さん
という国産小麦・天然酵母のパン屋さんに行ってみたらと紹介されたんです。
そしたら
「大田さんね。こういうことをひとりで地道にやっていてもなかなか広がらないよ。
スロービジネススクール(SBS)というのがあるから、入ったら良いよ。
そこのつながりの中でやっていったらきっと良い方向に行くと思うから!」と
SBSを勧められたんです。
前からすでにSBSに入っている友人からは薦められていたのに、
このパンやさんのひとことが決めてになってました。
どうしていいかわからなくなっていたので、
こうしたらといわれることは何でもやってみようと思って
締め切り間際にバタバタ応募して何とか入学しました。
必死でしたね!

―― SBSに入ってから、どんな動きがありましたか?
合宿で発表をしたんでしたよね?

大田:07年4月に入学して、5月に山梨県清里で行われた合宿に参加しました。
SBS学生にグアテマラのことマヤナッツのことを知って欲しい、
伝えたいと思って入って合宿にも申し込んだのに、
なんと手違いでプレゼンテーションをすることが出来なかったんです。
悔しかったですねぇ。「え?、皆に話を聞いてもらいたくてSBSに入ったのになぁ」ってね、
でも、同時に「次は絶対にプレゼンしよう!!」という気持ちも強くなりました。

その後、普段のメーリングリストで情報を発信しても、あまり反応が無かったですね。
みんな読んでくれてはいるのでしょうが、
特に「良いね」だとか「面白いね」だとか特にそういった反応もなく、
ちょっと寂しい思いをしていました。「引かれているのかなぁ」なんて思ったり。

―― それで12月の京都・綾部合宿でプレゼンをすることになったんですよね。

大田:そうです。
その合宿は「プレゼンの時間枠をあげますから、何をしても良いですよ。
時間枠を分譲します」というものだったんです。
「何をしても良い」と言われてもちょっと困ったのですが、
事務局の方とも相談して、「実際にマヤナッツで料理をして味わってもらおう」という
方向になりました。

実際には設備や時間の問題で料理はできませんでした。
でも、「マヤナッツ味噌ペースト」というもので野菜のディップを
食べてもらうことにしました。
やり取りの中で、会場で石窯パンを焼くという話を聞いたので、
「マヤナッツ・パウダーをパンやピザに使ってもらえませんか?」と
ダメもとで頼んだらOKになったんです。


マヤナッツパウダー入りの石窯焼きパン。
パンを持っているのはSBC理事のNさん。

―― 大田さんのこういった際の瞬発力というか食い付き力ってすごいですよね。

大田:必死なんです!!
今まで長い間に相当ダメ出しをもらったり、反応がなかったり、
「難しいんじゃないの」といわれたりしてきた経験がありますからね。
「チャンス!」と思ったらとにかくアタックですね。

―― マヤナッツパウダー入りのパンとピザは、とても香ばしい感じで美味しかったですね。
「ああ、大田さんが言っていたのは、この素材なのね」と色々な人が興味を示しましたね。

大田:そうですね。小グループに分かれてのプレゼンも7名の人が参加してくれて、
「感動した!何か手伝いたい」と言ってくれて。
別グループでプレゼンは直接聞いていない人も
「面白そう。一緒に何かをしたい」と何人もが言ってくれました。
「良かった、伝わったんだ」という気持ちで、こっちも感動しました。



―― 今まで、あまり反応が無かった状態もあったようですが、
この時は何が違ったのでしょうね?

大田:それまでマヤナッツの紹介営業をする際には森のことを話すよりも、
栄養価、特徴、味などを説明して、価格の話をして、
ついでに付け足し程度に森を守れること、フェアトレードのことなんかを話していました。
でも、それだと反応が鈍い、インパクトがない、という状態だったんですね。
それもそうですよね。営業の方はそのお店にはたくさん来ているでしょうから、
取り合ってもらえなくても当たり前というか。

そういった経験を活かして「今回は最初から森の話をしよう」という形で
話をしたことがあったんです。最後に、付け足しで栄養のことや特徴を話したんですね。
そしたら、わりと感動してくれました。
「グアテマラを知らなかったけれども、そういう背景があるんですね」と。
実感として、こういうやり方の方が良いかもしれないと思うようになりました。

――綾部の合宿でも確かに、森のことを真剣にお話していましたよね。
大田さんは普段は人見知りをしているようなところもあると感じていたのですが、
グアテマラの森のこと、マヤナッツのこととなると雰囲気が全然違うというか。
すごい想いだなぁ、と僕なんかは感じていました。
その想いだとか物語を届けていくというのが大切なんでしょうね。

大田:今、はっきりと言えるようになってきたことは、
ちょっと変かもしれないのですが
「私が売りたいのはマヤナッツではない!」ということなんです。
もちろん、マヤナッツは売っていくのですが、
ただ単に輸入してモノとして流通させて利益をあげるというのとは違うんです。
マヤナッツというツールを使って、グアテマラの素晴らしさ、
人々の穏やかな生活、素敵な森のこと。
そして、それらが危機に瀕していること。
そういったことを伝えたくってマヤナッツを売るんですね。

>>その2に続く

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