自分の生き方を考える

スロービジネススクール(SBS)4期生であり、
スロービジネスカンパニー(SBC)の理事でもある玉置さん。
岡山県津山市にて、「こだわり本舗」という自然食品店、「すろーいちば」というウェブショップの経営もされています。
そんな彼にとってのスロービジネスとは?



「自分の生き方を考える」

玉置慎一郎(SBS4期生冒険コース)

スロービジネスを感じる瞬間がある。
対話によって、相手の意識の変化を感じる瞬間だ。
「この○○いいですよ」、商品を売るための上辺の言葉ではなく、
自分の意識の深いところ出てくる話が相手のより深いところに届いたと感じるときだ。

食の安全が崩れていく、自然環境が壊れていく世の中で、
食と農がスローになっていって欲しいと感じてきた。

ついこの前見たTVで、人間が全滅したら地球環境はどうなるか?を
シミュレーションした番組があった。
たしか1万年後だったと思う、みごとに自然環境は「回復」し、
生き物が溢れかえる地球になっていた。
地球の「生態系」がより多くの生き物を育むほうが良いのならば、
現代の人間は、「いない方が良い」ということになる。これは、正しいような気がする。


玉置さんが自然農で取り組む不耕起田んぼ。

こんな将来像がある中で自分はどうなのか?
地球上の生命が多いほうが良いと思うのか、少ないほうが良いと思うのか?
生き物が豊かな場所とコンクリートだらけの場所、どちらが心地よいか?
僕は前者を選ぶ。後者を選ぶ人はそんなにいたいだろう。
生き物が豊かな地球を望むのであれば、現代の人間である自分もいない方が良い、
という考えが浮かんでは消えていく。
「いない方が良い生き物は存在しない、
すべての生き物が地球上で生きることを許されている」という立派な考えには、
なかなかたどり着けない。だから「いても良い自分」は何をしているのかを想像する。

ここに至り、目指す生き方が見えてくる。食と農をスローにしていくことである。

食と農をスローにとは、どういうことなのか。
「人間を含めた生命が持続可能な食と農」に向かうために、
現在の食と農のあり方をスローダウンさせること。
誰かにやってもらうのではなく、自分自身がビジネスとして考え、
実行し、広げる提案をし、仲間を増やしながら他の人にも実行してもらう。
仕組みをつくりだして人を巻き込むこと、ということになるだろう。

今、僕は小売店経営をしている。生産する人と消費する人をつなぐ役割がある。
こんな立場だからこそできることがあるのではないかと思う。
食に関しては「スローフード運動」が、農に関しては「生物多様性保全型の農業」が、
仕組みづくりのお手本になる。
WEBショップ「すろーいちば」


自然農の田んぼの中にはカメまで生息している。左下の方に見える
黒い生きものがカメ!


スローフード的な経営として、スローフード運動の3つの指針を行うこと。
「消えてゆく恐れのある伝統的な食材や料理、質のよい食品、酒」を販売している。
「子供たちを含め、消費者に味の教育を進める」企画を行いたい。
「質のよい素材を提供する小生産者」の商品を取り扱っている。
生物多様性保全型の農業を行うため、田んぼの生き物調査をしながら
多様な生物を育む農を広げていくことを始めている。
SBS公認プロジェクト

スローフードと生物多様性は、いろいろな場面で絡み合って
事業企画や商品販売などの取組の中で反映されていく。
小さいながらも人と人、人と農と自然のつながりを取り戻すことが、
「自分にとってのスロービジネス」であり、「自分の生き方を考える」ことである。
スロービジネスクール公式サイト: 自分の生き方を考える
http://www.slowbusiness.org/article.php/200808_slowbiz_tamaoki