N.Hさん「子どもとの話し方を変えてみたら反応が変わった! --『親業』の教え」


「痛いの痛いの飛んでいけ。ほら、もう痛くない痛くない!」
公園で子どもが転んだときに、お母さんがよく言うせりふです。
私もそうでした。
痛みを忘れさせよう。痛くなんかないんだよ、と説得しよう。
泣き出せば、
「そんな傷たいしたことないでしょう!そんなのくらいで泣かないの!」
でも、これって、考えみたら痛がっている子どもの感情を完全に無視していますね。
私は親業と出会うまで全く気づきませんでした。

こういう状況で、
「あら、こけちゃったの?痛かったねえ。
コンクリートだからよけいに痛かったねえ。」と言うと、
「そう、痛いの。おうちに帰ったら消毒してくれる?」
と、一件落着だったりします。
子どもの気持ちが汲まれたからです。


昨年、長男が「反抗期に突入し」たときに
(というのは一般的な見方で、「反抗」の裏には色々な理由がありました!)
「親業」を学ぶ機会がありました。

親業では、こうして相手の気持ちを汲んでやる、代弁してやる、
自分が相手の「鏡」になるような応え方を「能動的な聞き方」といいます。
でも、この「能動的な聞き方」は、自分の価値観や意見が混じってはいけないので、
自分にそれだけ余裕がなければなりません。


例えば、先の子どもが転んだ例。
お母さん自身が急いでいてイライラしていたら、「鏡」にはなりえないのです。


私には、このことが大きな発見でした。
子どもが泣き出したとき、癇癪を起こしたとき、反抗したとき、
子どもが泣いていること、癇癪を起こしていることに自分がイライラしていないか。
止めようと思って、話を聞かずに説得していないか。
一度立ち止まって考えてみると、少し冷静になれるようになりました。
また、「怒り」は二次感情であり、その下に本当に訴えたい感情、
悔しさや悲しさ、挫折感や失望感が隠されていることも知りました。


ごくごく日常的な例ですが、こんな例があります。

事例1:長男(当時5歳)とのやりとり

【状況:和室の入り口に紐を引いて「立ち入り禁止」にしていたところ、
父親に外すように言われ、言うことを聞かないので無理矢理はずされ、泣いている】

:お父さんに紐を外されて嫌だったんだね。

:うん。

:「いやだ」って言っているのに無理に外しのがいやだったんだ。

:うん。

:さっきは「よっちゃんひもを結べるんだね。こんなことできてすごいね!」
とほめられたのに、何ではずさなきゃいけないのか、分からなくて怒ったんだ。

:うん。

:あのときは、ゆうちゃんが寝てたでしょう。
ゆうちゃんがいるときは危ないよね。

:うん、でもやだ。

:あ、パパがほめるくらいすごいことできたから、
ひかるちゃんたちに見せたかったんだ。(友だちが遊びに来る予定である。)

:そう。(力んでいたのが緩んで泣き方が変わる)

:じゃあ、今は外してくるときになったらまたつけたらどう?

:そうだね。



事例2:長男(当時5歳)

【状況:図鑑を見ていたが、就寝時間10分前になり、
次男の絵本を読む時間がなくなりそうなのできりの良いとこでやめようと思っている】

:あと10分で8時だから残りは明日にしてゆうちゃんの絵本読んでも良い?

:えーっ。

:だってよっちゃんのを先に読んでいたでしょう。
次はゆうちゃんの約束でしょう。
今読まないと、8時に寝られなくなって明日起きられなくなると困るの。

【ここで携帯メールの着信】

:パパ?なんて?

:やっぱり今日は飛行機間に合わなかったって。ねえ、絵本読んじゃだめ?

:それならもういいよ!僕は聞かないから。もう寝る!
(部屋に行き、ドアをパタンと閉める)

:(ゆうちゃんの絵本を読んでから部屋に行く)よっちゃんは図鑑を見たかったんだね。
今日こそは最後まで見られると思ってたんだね。

:もういいよ!だって8時になっちゃうもん!

:よっちゃん、お父さんが帰れなくなったのがいやなんだ。
明日の朝は会えると思って期待してたんだね。
幼稚園に送ってもらえると思ってたんだね。

:うん。だって、パンも焼くし、絵もせっかく持って帰ってきたのに。

:期待を裏切られちゃったね。悲しいね。

:そう、僕悲しい。でも明日帰ってくるんだよね。
絵、お父さんがすぐに見えるとこに飾っといてね。



事例3:次男(当時1歳)とのやりとり

【状況:託児所に預けるとき、入り口に着くなり顔がひきづり、しくしく泣き出したので
ベビーカーから下ろして抱きしめると、しがみつくようにして離れない。】

:ゆうちゃん、行きたくないんだね。

:(強く抱きつく)

:ママと一緒にずっといたいんだね。

:(さらに力が入る)

先生:お友達とぶーぶーで遊ぼう。

:ぶーぶーでは遊びたくないんだよね。ママが居なくなるのが不安なんだよね。
ママもゆうちゃん大好きだよ。ちゃんと迎えに来るからね。

:(急に力が抜けて先生のほうに腕を伸ばし、私に泣きながらも手を振る。)

:ありがとう。後で迎えに来るからね。



どれも些細な例ですが、プチ爆発が大事にならなくなりました。
自分に余裕がないとき、やっぱり「親業」は
どこかに置き去りにしていきてしまいがちですが、
少しでも心がけるようになって、子どもが幼稚園や学校に行きたくない
本当の理由なども引き出せるようになりました。
親が子どもを「支配」(誘導、押し付け)する構造を改善してみると、
お互い気持ちよく過ごせる上、
この作業が確実にこどもの言語の発達や表現力につながり、
また理解されることで自己評価も高くなり、
少しずつ自己決定、自立につながっているような気がします。
スロービジネススクール公式サイト: N.Hさん「子どもとの話し方を変えてみたら反応が変わった! --『親業』の教え」
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