スロービジネス見本市の出展者の振り返りシリーズ第2弾
今回は、ゆっくり村プロジェクトの後藤彰さんです。
なお、当日のプレゼンテーションの様子は
コチラから動画がご覧になれます。
話し手:後藤 彰(SBS1期生冒険コース/ゆっくり村チーフ)
聞き手:矢野宏和(SBS1期生冒険コース)
矢野
今回、後藤さんがスロービジネス見本市に出展した「ゆっくり村プロジェクト」は、
立ち上げから3年ほど経つのですね。
これまでの経過を辿りつつ、
プロジェクトの概要とポイントを教えていただけますか?
後藤
ゆっくり村のコンセプトは、次のものです。
「毎日旬の美味しいものを食べて、友と語り、汗を流し作物を育て、
モノづくりをして、音を奏で、共に学び成長し、安らかに眠る。
そんな「ゆっくり村」があっても良いな。問題ではなく答えを生きる。」
具体的には、「半農半スロービジネス」というライフスタイルを実践するメンバーの
緩やかなコミュニティを目指しています。
自分の食べる分の米や野菜を育てながら、スロービジネスも展開する。
そういったメンバーが「お互い様」「おかげさま」と言って
つながり合いながら生きていけると良いな、と思っています。
3年経過して、徐々に「ゆっくり村」として語れることが出来てきました。
例えば、田畑。僕が食べる分の米は100%自給できています。

野菜も80%ぐらいは自分の畑のものになっていますね。

そして、田畑を使って、田植えや稲刈り、畑見学のプログラムなども展開しています。
また、赤村スローカフェ・クリキンディという自然食ランチや
オーガニックコーヒーを出すお店があるのですが、そことの連携も強まっています。
イベントを共同で企画したり、食べきれない野菜を提供したり。
お店のリピーターの方々にも徐々にゆっくり村が認知されてきたようにも感じています。
矢野
今回、見本市に出展してみて、ご自身のプロジェクトの他
にはない特徴について、新たに気付いたことなどありますか?
また当日の参加者の方からのアドバイスで印象に残ったものなどありますか?
後藤
スロービジネス見本市に際して、
「何がゆっくり村の特色=オリジナリティなのか?」ということはとても考えさせられました。
自給自足を目指すコミュニティというのは、言ってみれば結構ある話しなのですよね。
田植えや稲刈りなどの農山村での体験プログラムもしかりです。
「どこにでもあるよね」とも言えちゃうんですよね。
うーむ、と考えつつ、出てきたのが「ゆっくり村的人生の発明」というフレーズです。
これは、ゆっくり村に来ていろいろなことを体験、体感してもらうことで、
生き方に自分なりの変化を生み出すということです。
「ひとまずやってみる」(実践)
「何かに気が付く」(気付き/発見)
「対話を通して気付きを深める」(学び)
「価値観や行動が変化していく」(変化)
この一連のプロセスを通して
「自分の人生に新たな視点が生まれる」ということになれば良いな、と思っています。
僕の役割は、このプロセスの全体をコーディネートすることなのかな、とも思っています。
参加者の方からも、「人生の発明というコンセプトが新鮮だった」
「4つの段階の話し、ひとまずやってみるといった姿勢がとても大切だと思った」など、
良い反応をもらいました。
矢野
これからゆっくり村のプロジェクトに取り組んでいくなかで、
どんなプログラムを提供していきたいと考えていますか?
後藤
今感じているのは、カラダを通した経験や体感と言語を通した理解や深まり。
この2つのことを組み合わせたプログラムを展開できないかな、と。
自然の中や、自然農の畑で感じること、
ゆっくり村の日常生活の中で感じることは多々あると思うのです。
それを、言葉に変換して、腑に落とす作業が大切だと思っています。
そこから「人生の発明」に近づけると思うんです。
例えば、田植えのイベントも単に遊び的に植えて終わりではなくて、
「いのちをつなぐお米」と向き合って、感じたことを言葉にしていく。
1粒が1000粒にも2000粒にも増える米ってやっぱりすごいんですよ。
それを与えてくれる自然のこれまたすごさ。
そういったものに五感で向き合って、何かを感じて、気付いて、
行動や意識が変化していく仕掛けをつくりたいですね。
矢野
そうしたプログラムを経て、ゆっくり村を訪れる人に、どんな
変化を期待していますか?また、ゆっくり村の取り組みの先に
実現したい理想的な社会像など、もしあればお願いします。
後藤
具体的な変化としては、「その人自身のいのちと答えを生き抜く」
そのためのきっかけが作り出せたら良いのかな、と思っています。
今の世の中、消費主義的な宣伝や「こうあるべきだ」という社会通念、
資本主義的かつ経済成長至上的価値観、といった枷(かせ)が
とても多く、強いと感じています。
でも、そういったものは本質的にはあんまり重要じゃない。
生き方は人それぞれですが、その人が本来望んでいる生き方や暮らしのあり方。
ちょっと大げさですが、いのちのあり方。
それにより近づいていくきっかけをゆっくり村が提供できたら良いですね。
社会や世界がガラリと大転換するとはあまり思っていません。
小さな実例を積み重ねていくこと。
「あ、そんなんで良いのか」と思えるモデルを作ることがとても大切だと思っています。
その先に、じわりじわりと、いのちを大切にする社会が広がっていくイメージを持っています。
大きな社会の中にそういった実践やモデルがある。
その実践やモデルの中では、関わる人が何だかたのしそうで幸せそうな状態が望ましいですね。
矢野
後藤さんの描くゆっくり村の理想。
それを達成するためにより充実させたい要素を3つ挙げてもらえますか?
夢の形を共有できれば嬉しいのですが。
後藤
そうですねぇ。敢えて言えば「大きなヴィジョン」でしょうか。
言葉を換えれば「目指す姿+そこへ向かう行動計画」ですかね。
現状は、出来る範囲で出来ることをというスタンスになりがちで、
大きなヴィジョンを描きながらそこへ向かっていくという面がまだ弱いと感じています。
人と共有できる明確な「目指す姿」を描きつつ、
そこへ向かう強い意志と行動計画も必要ですよね。
それから、ヴィジョンを共有しながらゆっくり村プロジェクトを
一緒に展開していく仲間をもっと増やしていきたいと思っています。
去年末から今年手にかけて、カフェ・クリキンディのスタッフや
スロービジネスカンパニーのスタッフが赤村に住み始めて
一緒に何かをやる機会も増えてきています。
輪が広がっていくことで可能性も広がっていく実感があります。
この流れをもっと充実させていきたいですね。
先で人が増えていく際に、小さな産業が作れると良いな、なんてことも思っています。
それがあれば、半農半スロービジネスも現実味が増します。
赤村という地域とのつながりもより充実させていきたいですね。
地域にある資源をいかしながら、先人の知恵に学んでいきたいですね。
これは、小さな産業を作る時にも連携が可能になると思っています。
一人で出来ることには限りがあるので、
「お互い様」「おかげさま」の関係をもっともっと増やしていき、
半農半スロービジネスのコミュニティを構築していきたいです。
今回、スロービジネス見本市に出展することを通して、
改めてゆっくり村プロジェクトに向き合い、どんなことを実現したいのか?
といったことを考えることが出来ました。
参加者からの反応も好意的なものが多く、ゆっくりじっくり着実に進めていきたいなとの
想いを新たにしています。
矢野
どうもありがとうございます。
後藤
こちらこそ、おかげさまでした。
cf:
ゆっくり村ブログ
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