「どなたかこれを翻訳してくれませんか?」
スロービジネススクールの”コーチョー”こと中村隆市さんがそう言うのを見てみると、
ドイツ環境省の脱原子力政策のウェブサイト。
自分はなにも知らないから勉強になりそうだなぁ、
という軽い気持ちで「はい」と手をあげてみました。
でもいざ訳し始めると、「えっ?」と思うことにいくつも出くわしました。
たとえば、原子力が気候変動(温暖化)の防止に一役買うためには、
あと1400基も原発を増やさないといけない、という記述。
1400基なんて半端な数ではありません。なにかの間違い?と思って調べていくと、
「エネルギー供給源がもっと原子力にシフトして、
2008年から毎年32ギガワットずつ出力量が増えれば、2050年には、
原子力が全体の6%だけCO2削減に貢献することになる」と
予測している国際エネルギー機関(IEA)の報告書が見つかりました。
32ギガワットとは100万キロワット級の原発32基分。
これを毎年、43年間建てていくと、1376基。記述はマチガイではありませんでした。
原発から出る危険なゴミ、「高レベル放射性廃棄物」の最終処分地として認可されている場所が
「世界中どこにもありません」という記述に出くわしたときも、そんなバカな、と思いました。
正確な翻訳のためにはウラをとらなくちゃ、とリサーチしていくと、結果はやっぱり文字通りの意味。
どこの国も、将来処分地を決めて、そこで処分を始める予定です、と言っているだけの状態で、
始める”予定”の時期でさえ、早くて2020年(米国やフィンランド)、遅いところでは2040年代(中国)。
たった今、世界中の原子力発電所は、ちゃんと廃棄できるメドもつかないまま、
毎日高レベル放射性廃棄物を出しているんだと思うと、唖然としました。
それだけでなく、何百万年ものあいだ放射能を出し続けるものを、
地中深くに埋めるだけで”ちゃんと廃棄”できることになる、というのも信じがたい……。
地球に毒を埋めながら、その地球の上で元気に生きるというのも、
なんだかあべこべな感じがします。
この冊子づくりに関われたことは、ほんとにわたしにとって「知ることからはじめる」第一歩でした。
小学2年の仲間が描いたイラストも載っていたり、
原子力マークが鳩になって飛び立っていたりする、かわいい冊子になりました。
わたし的には、なぜか、どんぐりみたいな感じのする、小さい冊子です。
いろんな場所へどんぐりの実が運ばれていって、その地で木になっていって、
たくさんの原発のかわりに、たくさんの森ができていったらいいな、と願っています。
そして、電気を使っているひとりとして、日本の原子力発電所のこと、
これからもう少し知っていきたいな、と思っています。あとは、電力よりも人力。
楽しく手足やからだを動かして暮らしていくことを大事にしていきたい、と気持ちをあらたにしました。
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