スロービジネスレポート09 VOL・1
朝の空に描く夢
丁寧に自分の人生を生きていくためのお手伝い。。。
〜高津克治さんのスロービジネス〜
2009,11月28日 矢野宏和
午前5時。冬であればまだ陽の光もない闇のなか、
高津さんは自らのスロービジネスにむけた3時間の
努力を開始する。
彼が志向するスロービジネスの実現には、複数の要
素の融合が必要で、そのための資格取得に必要な勉強や
実習を、朝の3時間に行うのだ。
高津さんのスロービジネスを構成する要素。それは、
「キャリアコンサルティング」、「ファイナンシャルプランニング」、
さらに「コーチング」の三つ。
それらを三位一体的に融合させ、「丁寧に人生を生きるお手伝いをする」
というのが、高津さんが目指すスロービジネスの核心だ。

仕事の具体的な内容は、それら三つの要素の内容を
一つ一つ理解していくと見えてくる。
まず「キャリアコンサルティング」。
それは「自分らしい生き方・働き方を探していくお手伝い」すること。
「ファイナンシャルプランニング」とは、
「お金の観点から自分と家族の生活の将来展望を
探していくお手伝い」をすること。
そして「コーチング」とは
「自分らしい暮らし方の実現に向かっての行動支援」ということになる。
本来なら発達心理学や労働法規といった専門的な説明が
必要なことなのだが、そこまでは私自身が理解できていないから書けない。
だが、ここで重要なのは、「仕事」、「お金」、
「本当にやりたいこと」、という三つの視点から、
より良い暮らし方・き方を探していくという、その発想だ。
それこそが、高津さんのスロービジネスの種であり、
ワクワク感の源となる。
高津さんも、その閃きにワクワクできればこそ、朝5時に起きて、
必要な資格をすべて取得するという目標も達成できたのだ。
そして、「その発想を得るのに、SBSという場がとても重要だった」
と語る高津さんに、これまでSBSでどんなスクールライフを
送ってきたのか、聞いてみた。
高津さんはスロービジネススクールの1期生。だから、
かれこれ5年近くSBSに在籍していることになる。
SBSを知ったきっかけは、友人との待ち合わせの際、
本屋で時間をつぶしていたときに手にとった、辻信一
さんの「スローイズビューティフル」。
その後、ナマケモノ倶楽部→中村隆市さんというルートを経て、
スロービジネススクールに辿り着いた高津さんが、
入学当初、スロービジネスという言葉に
抱いていたのは、「フェアトレードとか良さそう」というものだった。
その理由も、「SBSの発起人である中村さんがやってることだから」
というもので、この時期の高津さんは、自分なりのスロービジネス像は描けていない。
そんな高津さんが、SBSという場で得たものは、
「自分のスロービジネスとは何なのか?」という問いかけと、
それを考えるための時間だった。

「合宿や、SBSの仲間と顔をあわせて話す機会を通して、
自分のやりたいことを考える。その後、さらにひとりになって振り返る、
考える時間が、自分のスロービジネスに気づく為の
土壌を形成していたと思います。」と、高津さんは言う。
そうしてスロービジネスイメージのひらめきを得たのが、
今から3年前のこと。
その起点となったキーワードがある。それは「仕組み」。
実際にモノを売買することよりも、物事がより円滑にまわるための
「仕組み」を考える方が、自分に向いているのはでないか。
そんな発見が、高津さんを自らのスロービジネスへと導くことになる。
「仕組み」とは、「物事の、組み立て、構造、機構」のこと。
高津さんが着目したのは、ずばり、「丁寧に生きるための、
生活の仕組み、組立て、構造」。
自分の生活の成り立ちを、「本当にやりたいこと」、「お金」、
「仕事」という三つの視点から考えたとき、きっとそこには、
しあわせな暮らし方への道筋が見えてくる。
そこから生まれる幸福への確信をエネルギーにして、
高津さんはスロービジネスの冒険を開始する。
「本当にやりたいこと」、「お金」、「仕事」。
今も昔も、多くの人にとって、それは悩みの種だろう。
今、この瞬間にも、その三要素のせめぎ合いのなかで、
たくさんの人が生きている。
人によっては、「やりがい」に偏り、お金がついてこず、
また「お金」だけを追うことに終始して、自分の仕事が見えてこない、
という状況もあるかもしれない。
やりがい、お金、仕事という三つのポイントの設定により、
人それぞれ様々な三角形が構成され、それらが組み合わ
さって形作られるのが、今の世の中なのだ。
そして、「多くの場合、本当に自分のやりたいことが、お金
や仕事を理由に忘れられていく」。あるとき、高津さんがふと、
そんな世情を嘆いたのを、私は今でも覚えている。
多分、高津さんの根底には、人のなかに宿る
「本当にやりたいこと」が、お金や世間体など、
もろもろの理由や言い訳で消されていくことへの、
納得できない想いがあるのだろう。

だから、「人が人生を丁寧に生きていくためのお手伝い」を
しようとする高津さんの核心にあるのは、
「本当に自分のやりたいことが何か」それを明らかにして、
実現させるために何とか役に立ちたい、という想いなのではないか。
フィナンシャルプランニングやキャリアカウンセリングを通して、
お金や仕事の面で、様々な対応や選択の可能性を示しつつ、
じっくり丁寧なコーチングを通して、
その人のやりたいことを明らかにし、
5年ぐらいかけて、それが実現に至るまでのお手伝いをする。
それが、高津さんのスロービジネスなのだ。
高津さんのスロービジネスを通して、きっと多くの人が、
その生き方を見直し変えていく。
そして、その変化の総体として、
より良い社会のイメージが浮かびあがってくる。
また明けてはいない朝の空のむこうに、
高津さんはきっちりしあわせのビジョンを描いているのだろう。
>「あとがき」へ続く
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